この記事は、「でかいクッカーで少しのお米を炊いてわかったこと」と関連しています。ソロキャンプにちょうどいいサイズの飯盒としてメスティンを検証してみます。
(この記事は、2020年2月にblog.palette-works.comに記載したものを加筆修正したものです)
購入からちょっと困った
メスティンの歴史は古く、1925年からあるようです。そういえば、20年前使っている人を見かけたのですが、当時クッカーは丸いものという先入観もあり、「小学校の給食用の弁当箱を工夫して使ってるひと」という感覚で見ていました。(ごめんなさい)
スウェーデンの弁当箱という意味らしいので、あながち間違いではないのですが、最近この弁当箱が流行っているらしく。欲しいなぁ。と思っていたのですが、手元にはちょっと大きめのクッカーセットがあり、道具を増やすのもどうかと二の足を踏んでいた訳です。
そこで、試してみないと分からない!と言い聞かせデカいクッカーがソロで使えるのか。を検証した結果、メスティン買うぜ!という結論に至ったわけです。
近くの店においてない(在庫が少ない)
メスティンの存在自体は知っていたのですが、購入を検討してなかったので、まずは情報収集から入ります。ネットで調べると色々出てきますね。おしゃれな写真が次々と。。。
口コミをみると、作りが荒い(バリ取りしていない)ので、そういうことが面倒と思わない人向きと書かれています。そのあたりは全く問題ないです。バリ取り上等です。でも、実際どれぐらいバリが出ているのか?とか、大きさはどうなんだとかやっぱり実物を見てみたいのです。
そう思って近くのモンベルやワイルドワンに行ってみたのですが、ちょうど在庫がない様子。まぁ、そんなに高いものでもないので、Amazonで買うかと思ってネットでみると、値段が結構上下してるんですね。
トランギアのものじゃないのもチラホラあるので、間違えないようにしないと。
メスティンってトランギアの商品名なのか?
メスティンってスウェーデン語で「弁当箱」という意味らしいので、トランギア以外のメーカでも、メスティンと言って販売してもいいのかと思うぐらい、似て非なるものがあるようです。一見すると、そっちの方が改良されているんじゃないか?と思うようなものもあるのですが、最初のメスティンはデファクトスタンダードを選択したいのです。
評判は
メスティンの評価は高いですね。玄人向きなんだろうと思いますが、皆さん思い思いの使い方をされているようで、口コミや写真を見るだけでも楽しくなってきます。その中でも気になるのは以下のような点ですね。購入を検討されている方の参考になればと思います。
- バリ取りしないとケガをする
- こめのとぎ汁で煮込まないと焦げる
- 蓋が閉めにくい・開けにくい
- お米1合炊くのにちょうどいい
使い始めに準備をしないとダメだよ。ってことらしいのですが、蓋が開け閉めしにくいのはどうなんだろうと思いつつ購入してみました。
お米1合炊くのにちょうどいいというのが、今回の購入に至る動機なんですが、リベットの位置に水の量を合わせるとちょうどいいとか、蓋がお米1合になってるとか。スウェーデンでも米を炊いて食べる習慣があるのかなと思いました。
アマゾンで購入
色々考えつつ、購入はAmazon。在庫もあるようだし、翌日に届くとのこと。赤ハンドルと黒ハンドルと、ノーマルサイズとラージサイズがあったので、悩んだ末に、3種類ゲット。
翌日、夕方ごろにAmazonから配達完了のメールが来ていたので、楽しみにして帰宅したけど、家族に聞いても何も届いていないとのこと?アレ?と思ってAmazonのメールを見返すと、「郵便ポストへ投函した」と書かれてた。
え?入らないでしょ?と思いながら、ポストを見に行くと、無理やり入ってた。入り口側からではなく、出口側から入れられてた。まぁいいけど。
届いてわかった、そういうことか。ということ
まず、最初に思ったのは、「ラージでけぇ」でした。ラージなんだからデカくて当然なんだけど、完全にソロ用ではないなという印象。
ノーマルサイズはちょうどいい大きさで、確かにソロにピッタリと思います。
で、開けようと思っても、蓋がびくともしない。開かない。3つとも開かない。少しズレて開きそうになるけど、反対側を開けようとしたら、反対が閉まるというシーソー状態になって開かない。アルミなので変に力を加えると変形しそうだから、余計に開かない。
それでも何とか開けられたので、フチの部分のバリを確認したところ、確かに、評判通りエッジの利いたバリが残っています。でも、アルミ素材なので、サンドペーパーで軽く削れますので問題ないレベルですよ。
バリ取りなどの最初の儀式
まず、サンドペーパーを探す。家にあっただろうと思って探したが、1200番と800番しか見当たらない。明らかに仕上げ用の細かいやつなので、色々探す。100均に行けば売ってるんだけど、面倒なので家中探して、400番があった。ほんとは200番ぐらいでやりたかったんだけど、まぁいいやと割り切って削る。どれぐらい丁寧にするかは人それぞれなんだけど、僕の場合は1つあたり、5分ぐらいでしたね。
それにしても、スウェーデン人もこの作業をしているのか?しなくても口が硬いのか?けが上等なのか?など思いながらの作業でした。メスティンを3つも一度に買ったことをちょっとだけ後悔しました。(3つ目のラージはちょっと雑に扱った)
バリ取りをしたら、蓋の開閉が少しスムーズになりました。使い込んでいく間で馴染んでくるんだろうと思います。
とぎ汁で煮込む
次の儀式は、とぎ汁で煮込むことでアルミにアルマイト加工(っぽい皮膜)をつける儀式です。黒ずみを防いだり、焦げ付きを軽減したりできるそうです。
そういえば、小学校のときの弁当箱の四隅がいくら洗っても取れない黒ずみが出来ていましたが、この儀式をしていないことによるダメージだったのかも知れません。アルマイト加工も経年劣化するので、定期的に行う必要があるようです。
鍋を煮込むための鍋を探すところから作業が開始するのですが、家にあった一番でかい鍋でも、ラージメスティンがしっかりと肩まで浸かってくれなかったです。ちょっと出ていた部分だけ色が変わってしまいました。気になる人はでかい鍋を用意しましょう。
ラージメスティン
ラージメスティンは、ノーマルサイズとスタックできる(重ねることができる)ということで、購入しました。どうも、キャンプ道具って「重ねて収納できる」っていう機能美にあこがれるんですが、ラージメスティンとノーマルメスティンのスタックは、ぴったり感がなく、単に入ってるってだけなんですよね。。。ちょっとがっかりしました。
もっとマトリョーシカみたいにピッタリしてて欲しいのです。そういう点では、丸いクッカーセットの方が優れてるなぁと思います(個人的な好みです)
赤ハンドルと黒ハンドル
メスティンには、赤いハンドルと黒いハンドルの2種類があります。赤と黒を一つずつ購入したのですが、ハンドル部分は取り外し可能ですので、まぁどっちでも良かったかなと。シリコンチューブが通してあるだけなので、汚れてきたら無くなるんだろうなと感じました。でも、色分けしておくと何かと分かりやすいかも知れないですね。
アルマイト加工
とぎ汁で煮込んだ後の状態は、少し茶色くなるようです。皮膜というと化学っぽいですが、見た目だけでいうと、わざわざ汚した。って感じです。道具は使い込むことで使いやすくなるので、無理やり経験値を積ませたようなものですね。
とぎ汁アルマイト加工のほか、業者に頼んでテフロン可能することもありみたいですが、ちょっとお高いようです。自分でテフロン(フッ素)加工するものもあるようなので、茶色くなるのが嫌な人は他の方法を試すといいかも知れません。
感想
メスティンは流行っているけど、玄人向けの商品だと思いました。そのままでも使えるけど、手を加えて自分用に育てていくタイプの道具ですね。買ってきた状態では完成していないものという印象です。同じような性質のものとしは、ダッチオーブンやスキレット、ナイフなども同じですね。
キャンプ道具を買って、そのままキャンプ場で初めて使う!という人には向かないと感じますが、作りがシンプルなので、大切に育てながら使うと長く付き合えるいいアイテムだと思います。
ラージメスティンについてはソロキャンプでは少し持て余しそうだと感じたので、最初のメスティンはノーマルサイズをおススメします。